みなさまこんばんは。
読書の秋、本の虫してます。飼い主のじゃんです。
わたしは時代小説だったり、猫さんや和菓子が題材の本を読むことが多いのですが、今日は新しい猫さんの漫画を発見しましたのでそちらのレビューをしたいと思います。
常喜寝太郎さんの『全部救ってやる』。
Amazonによるあらすじはこんな感じ。
かつてない動物保護のヒーロー、誕生
東京でスタイリストを目指す星野スズは、競争に疲れて戻った地元で、動物保護活動家・久我に出会う。
劣悪な環境で大量繁殖したネコを一匹残らず保護する久我を見て、星野は、自分のことで精一杯な自分から変わりたいと思い始める…
汗にまみれ、動物にまみれ、日々を奮闘する者たちの人間ドラマ、開幕―!!
動物保護に関する作品で、一巻では多頭飼育崩壊、保護動物の譲渡の現実や、募金詐欺、パピーミルの実態などが描かれていました。
わたし自身、保護猫ボランティアを始めてから知ったようなことが取り上げられており、保護活動やその現状や課題を知るのにいい作品だと思いました。
一巻の段階では。
動物保護活動やペットビジネスについて学べる内容となっていますが、かなり読みやすく描かれているなとは思いました。
というのも、漫画ではハラハラしたり心が痛むような場面もありますが、現実はもっと残酷で悲惨だったりすることがあるとわたしは考えており、そこについては結構マイルドな内容なのかなと読んでいて思いました。
まだ一巻までしか発売されていないので、このあとどういう展開をしていくのか次第ではありますが(不穏な登場人物もいますし)、もしかしたら人によってはショックを受けるような場面も出てきたりするのかな?と少し心配。
現実を知ることは大事ですが、罪なき動物たちの悲しい場面は好んで見たくはありませんからね…。
第5話『日本中に家族がいる』の譲渡の場面から。
条件にマッチした里親候補の方の家に向かった主人公たち。
立派な家で里親候補の方もいい人そうですが、家の中の扉を閉めていた部屋がゴミ屋敷のようになっているのが発覚し、譲渡はなしになりました。
「もらったげるって言ってるんやからいいやないの。募集条件ばっかつけたらいつまでたっても(里親が)見つからんよ」
と食い下がる里親候補の方に対して、保護主の久我は
「あの子は、これと似た崩壊現場から保護した。二度も地獄を見せたくないんだ。」
と言い放ちます。
よく「保護主の人が高圧的だ!」とか「譲渡条件が厳し過ぎる!」とか聞きますが、保護主としては保護動物を家族同然に思っていて、絶対に次こそは幸せになってほしいと動物ファーストで考えているので厳しい審査をしているのだということが、こうして漫画で広く知ってもらえるといいなあと思いました。
(中には里親詐欺とかで疑心暗鬼になって必要以上に高圧的になってしまっている保護主さんもいるかもですが)
わがやの元保護猫もなちゃん。
もなちゃんは子猫の頃に兄弟と一緒に段ボールに入れて放置されていたところを保護されたんだそうです。
保護主さんに見つからずにそのまま放置されていたらどうなっていたことか…。
保護して育ててくれた保護主さんには感謝しかありません。
まだまだ日本ではペットショップからのお迎えが多いそうですが、今回ご紹介した作品やメディアから徐々に動物保護活動の存在や現状、課題が広まっていき、すべての動物が活き活きと暮らすことができることを望みます。
以上、本日は動物保護活動を題材とした漫画『全部救ってやる』のレビューでした!