いつもは猫作品についてご紹介しますが、
今回の「BEASTERS」は猫作品ではなく、もっと広く動物についての漫画作品です。
ですが、もちろんネコ科の動物もたくさん出てきますよ!
ということで、
今回は愛猫家視点でBEASTERSをレビューしていきたいと思います。
・BEASTERSのあらすじ
舞台は、擬人化された肉食獣と草食獣が共存し生活する世界。
ハイイロオオカミの主人公レゴシが通う学校内で、草食獣のアルパカが肉食獣に殺される「食殺事件」が起こるところから物語が始まります。
BEASTERSのレビュー
・ミステリー?恋愛もの?
最初はミステリー系かな?と思いましたが、
徐々に恋愛ものっぽくなり、実は一度続きを読むのをやめていましたw
最初の事件から、重いテーマがありそうだなと期待していたのです。
ですが、アニメ主題歌になっていたYOASOBIの「優しい彗星」を聴いて、続きが気になってまた最近読み始めました。
(「優しい彗星」は、BEASTERSの中のあるストーリーをもとに作られた楽曲)
期待どおり、BEASTERSには壮大なテーマがありました。
・BEASTERSのテーマ
わたしが感じたのは、
「すべての生命の神秘」と「異種への尊敬と恐怖」というテーマでした。
肉食獣、草食獣という食べる側、食べられる側というくくりだけではなく、
すべての生き物にはそれぞれの本能、生体、生き方があり、それらは美しく心惹かれる反面、自分と異なるという点では恐怖を感じる対象になるんだなあと。
これって、人間同士でも同じですよね。
また、違う生き物である猫さんと暮らしているわがやも、ある意味異種族交流といえます。
るるちゃんのことを愛おしくて尊く感じたり、
でも分からないこともあって悩んだりぶつかったり。
・印象に残った場面は虫の言葉
わたしが一番印象に残った場面は、
10巻の82話で主人公レゴシが精神世界で会話した虫さんの言葉です。
「”生きること”の一点のみに集中して生活する我々は、お前たちと違って言葉も煩悩もない。限りなくシンプルで高尚な世界に生きている」
「大切なのはただ1つ。生命への敬意だ」
るるちゃんと暮らしている中でも、
猫さんは”生きること”に全力だなと感じます。
在宅勤務中に仕事で一喜一憂しているわたしの横で、いつもるるちゃんは至ってシンプル。
ご飯!
寝る!
遊ぶ!
そんなるるちゃんの姿を見て、
”生きること”のみに集中するというのが、生物の一番自然な生き方で、
でもそれが人間社会にとっては時々難しくて、わたしたちが猫に憧れを持つ理由なんだろうと思います。
・BEASTERSの個性豊かなキャラクターたち
BEASTERSの魅力として、
そういった壮大なテーマのほかに、キャラクター設定がしっかりしているところもあげたいと思います。
弱肉強食!といった分かりやすいヒエラルキーではなく、
肉食は草食を怖がらせないように強さを隠して生きたり、草食は逆に弱さを見せないようにしたり。
お互いを思いやるからこその本音を言えない複雑な関係性があります。
わたしは感情移入して作品世界を擬似体験して楽しみたいタイプですので、登場するキャラクターの心情がしっかりと描かれていて流れも自然なので、物語に深く入り込むことができました。
BEASTERSにおける猫
冒頭で触れたように、もちろんネコ科の動物も登場します。
もっとも印象的なのは、
非合法の食肉店が集う「裏市」で活動する獅子組のライオンたち。
ワルそうな見かけと違って、意外と人情深く優しい彼ら。
また中(またたび中毒)だったり、自分たちのヒゲを集めて占いをしたりと、猫好きには可愛く見えてしまうところがありますw
ちなみに、前述のYOASOBIの楽曲「優しい彗星」は獅子組のイブキというオスライオンと、雄鹿のルイについての物語です。
これがじんわりくるのです…
ところで、作者の方って…
BEASTERSの作者は、板垣巴留先生。
少年チャンピオンで連載されていました。
チャンピオン?板垣?
ここでピンとする方もいらっしゃるのではないでしょうか?
なんと、BEASTERSの板垣巴留先生は、
あのバキシリーズの板垣恵介の実の娘さんなんだそうです。
わたしは「バキ=板垣先生」ということしか知らなかったので、BEASTERSはバキの先生の違う作品なのか?と思いましたw
本日は、愛猫家視点でBEASTERSのレビューを書かせていただきました。
気になった方は、ぜひYOASOBIを聴きながら読んでみてくださいね^^ 飼い主のじゃんなのでした。